
サラリーマンは税や保険など逃げられない重い負担が課せられていますが、
自営業よりも厚生年金や医療保険など、優遇されている面もあります。
また、意外と知られていないお得な制度として「社内預金制度」があります。
社内預金制度とは?
会社が従業員の給与やボーナスから天引きして、従業員の貯蓄を促す制度です。天引きした資金は会社の設備投資や事業運転資金などとして管理・運用し、その利息が従業員に支払われます。
そして、利率は厚生労働省によって、年利0.5%という下限が定められています。
厚生労働省

利率0.5%ってすごくない!?確か大手銀行の定期預金は・・・
大手メガバンクは2020年4月、一斉に定期預金金利を0.01⇒0.002%に引き下げました。
その差は、なんと250倍!!
預金金利0.1%を誇る楽天銀行も健闘していますが、この5倍になります。
また、定期預金だと3か月や1年といった拘束期間がありますが、
社内預金は預け入れるのは任意ですし、出し入れも自由です。
会社が強制的に加入させたり、引き出し制限することは固く禁じられてます。

社内預金制度のメリット
・銀行と比較してけた違いに高金利
・給与天引きで、半強制的に資産形成するため貯まりやすい
・貯まった資金は自由に出し入れが可能

私の会社は古き良きが残っており、
利率1.0%、預入上限100万円という好条件で
社内預金制度を活用しています。
ただし、当然貯金するよりも資産形成のために「投資」が優先されるべきです。
自身の余剰資金とのバランスを考えて、この流動性の高さを活用すべきと考えます。
100万円を預け入れた場合(半年複利)でシュミレーションしてみましょ。
利率 | 1年後 | 10年後 | 10年利息 | |
大手メガバンク | 0.001% | 1,000,010円 | 1,000,100円 | 100円 |
楽天銀行 | 0.1% | 1,001,000円 | 1,010,048円 | 10,048円 |
社内預金 | 1.0% | 1,010,025円 | 1,104,896円 | 104,896円 |
3%で資産運用 | 3.0% | 1,030,225円 | 1,346,855円 | 346,855円 |

10年でも、こんなに差が出るのね

社内預金を利用する際の注意点

福利厚生の一環として、非常に有益な社内預金制度ですが、そもそも採用する会社がどんどん減っているという幻の制度となりつつあるようです。
まず、利用するにあたっては、社内規定を調べ、社内預金制度があるかどうか確認しましょう。
預入額についても上限も確認が定められています。
また、定期預金であれば1,000万円まではペイオフで保障されていますが、社内預金に保障はありません。会社の倒産リスクも考慮しましょう。
てか、そんな会社であれば、さっさと転職しましょう!
社内預金制度をつくるには?

もし、あなたが組合代表で労使協議の機会があれば、福利厚生として社内預金制度の制定を会社に申し出ることも可能です。
労使協定の締結
社内預金制度導入には、使用者と労働者との間で労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届けます。社内預金制度に関する労使協定としては、制度の対象者や預金限度額、そして適用利率や計算方法、制度利用時の手続き方法や預金の保全方法等を記載する必要があります。
貯蓄金の管理に関する規定の策定
そして、貯蓄金の管理に関する規程を策定し、社内に貼り出すことなどにより、労働者に周知徹底を図り、運用をスタートさせることができます。
財形貯蓄制度との違い

社内預金と似た制度で、財形貯蓄制度があります。
これは、財形貯蓄制度を導入している企業の従業員が給与から天引きという形で、住宅取得や増改築を目的とした貯蓄を行うことです。
ポイント
・一定の要件を満たせば、元利合計550万円まで利息に税金がかからず貯蓄可能
・契約申し込み時の年齢が55歳未満
・一定の要件を満たせば、住宅の増改築の場合でも払い出し可能
社内預金との違いは、
・預入先が銀行などの金融機関(利率は0.001~0.002%)
・低金利のため「利息に税金がかからない」恩恵が皆無
・資金の出し入れに一定の制限がある
正直なところ、財形貯蓄制度は利用する価値はありません。
まとめ
社内預金制度は、会社員にとって比較的高金利で資産形成に、企業にとっては資金調達法として活用できるため、双方にとってメリットがあります。
一方で、社内預金は会社員の給与を社内で預かるものであることから、法令の定めに則り適切に管理することが必要であり、しっかりした基盤のある会社で運用されているものがリスクが少ないです。
金利面や、資産の流動性を考慮しても、利用する価値のある制度だと思います!

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